
青の幻想に包まれる街、シェフシャウエン|モロッコの秘境で心ときめく旅を
モロッコ北部、リフ山脈の静かな丘にたたずむシェフシャウエンは、街全体が青一色に染まる幻想的な世界。まるで絵本の中に迷い込んだような風景が広がり、訪れる者すべてを虜にします。モロッコの中でも一味違う穏やかな空気とローカルな魅力が詰まったこの町は、写真好きや静かな旅を求める人にぴったりの隠れた名所です。
青に染まる旧市街|歩くだけで癒されるメディナ散策
シェフシャウエンの最大の魅力は、旧市街(メディナ)全体が様々な青で彩られていることです。家の壁、階段、路地の角まで多様な青色が使われており、朝のやわらかな光や夕暮れの温かな光に照らされると、その表情が一層豊かに変わります。青色が塗られた理由には諸説ありますが、ユダヤ教の伝統に由来するとされる説や蚊除け、暑さを和らげるためという説があり、今でも街の住民が定期的に塗り直しています。
旧市街は迷路のように入り組んだ路地が続き、散策を楽しむには最適です。歩きながら、地元の猫たちと出会ったり、色とりどりの花が飾られた扉を見つけたり、ふとした瞬間に小さな発見が旅の思い出を彩ってくれます。静かで穏やかな雰囲気のなか、心が癒される散策体験を味わえます。
プラザ・ウタ・エル・ハマムとカスバ|街の中心で歴史を感じるひととき
旧市街の中心には、カフェやレストランが並ぶ「プラザ・ウタ・エル・ハマム」という広場があります。ここは地元の人々や旅行者が集う社交の場で、モロッコ名物のミントティーを片手に街の雰囲気を楽しむのに最適な場所です。広場に面した15世紀のカスバ(要塞)には、小さな博物館と庭園があり、屋上からは青く染まる町全体を一望できます。
スペインモスクから望む絶景|早朝ハイキングのご褒美
旧市街からゆるやかな坂道を登って45分ほどでたどり着くスペインモスク。建物自体は質素ですが、ここからの眺望は絶景です。街全体が青い絨毯のように広がり、朝日や夕日が加わるとまさに夢のような風景が眼前に広がります。早朝に訪れれば、人混みも少なく、静かに絶景を堪能できます。
モロッコの素朴な味と手しごとのおみやげ|地元の魅力を五感で味わう
シェフシャウエンのレストランでは、素朴で家庭的なモロッコ料理が楽しめます。特にタジン、クスクス、そしてひよこ豆を使ったスープ「ハリラ」は外せません。地元で作られるオリーブオイルやヤギのチーズも、旅の味覚を豊かにしてくれます。おみやげには、青の染料や手織りのラグ、小さな陶器などが人気。ひとつひとつ手作業でつくられたアイテムには、この街の静かな情熱が息づいています。
シェフシャウエンへのアクセスと滞在のすすめ
シェフシャウエンへは、フェズまたはタンジェから車で約4時間。公共交通もありますが、スムーズに訪れるなら送迎付きのツアーやレンタカーの利用がおすすめです。1泊すれば、朝夕の街の表情や静けさをじっくりと味わうことができるでしょう。小規模なリヤド(モロッコ風の宿)に泊まれば、現地の暮らしにも触れることができます。
心の奥に残る「青」の記憶|シェフシャウエンでしか出会えない旅
旅先での非日常を求めるなら、シェフシャウエンはまさに理想の場所。自然に囲まれ、穏やかな人々が暮らすこの青の街は、ただ歩くだけでも心がほどけていくような特別な体験をくれます。喧騒から離れ、自分の時間を大切に過ごしたい人にこそおすすめしたい、モロッコの小さな宝石です。