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モンテビデオ|南米ウルグアイの静かな首都で感じるヨーロッパの風

南米の中でも比較的知られていない国、ウルグアイ。その首都モンテビデオは、喧騒とは無縁の落ち着いた空気と、植民地時代の名残を感じさせる美しい街並みで旅人を魅了します。海沿いの遊歩道や文化的なイベント、美食に恵まれたこの都市は、「南米の隠れた宝石」とも称される存在です。

モンテビデオってどんな街?

モンテビデオはウルグアイ最大の都市で、同国の人口の約3分の1が暮らす政治・経済・文化の中心地です。1726年にスペインによって築かれたこの都市は、歴史的な建造物と現代的な都市機能が調和しています。

街のシンボルでもある「独立広場」や、コロニアル様式の街並みが残る「旧市街(シウダ・ビエハ)」は、歩いて巡るだけでも旅情をかき立ててくれるエリア。穏やかな気候と治安の良さもあり、南米の中でも特に暮らしやすい街として知られています。

ランブラ通りを歩いて海風を感じる

モンテビデオの魅力を語るうえで欠かせないのが、ラ・プラタ川沿いに続く全長22km以上の遊歩道「ランブラ通り」です。ジョギングやサイクリングを楽しむ地元民に混ざって、散歩をするだけでモンテビデオの日常が垣間見られます。

日没の時間帯には、川に沈む夕日を背景に静かな時間が流れ、旅の疲れを癒してくれること間違いなしです。

旧市街で歴史とアートを味わう

モンテビデオの旧市街(シウダ・ビエハ)は、スペイン植民地時代の面影を色濃く残すエリア。石畳の道やアンティークショップ、カフェが並ぶ風景は、まるでヨーロッパの小都市にいるかのような気分にさせてくれます。

また、アーティガス将軍の霊廟や荘厳な「パラシオ・サルボ」など、歴史好きにはたまらないスポットも点在。アートギャラリーやライブ演奏が行われる文化空間も多く、創造的な刺激にあふれています。

港の市場で味わうウルグアイの味

ウルグアイは、世界でも有数の牛肉消費国として知られ、「肉の国」の異名を持つほど。そんな食文化を象徴するのが、モンテビデオ旧市街にある「メルカド・デル・プエルト(Mercado del Puerto)」です。

この19世紀に建てられた歴史ある市場は、現在では観光客や地元の人々で賑わうグルメスポットに変貌。市場内にはパリージャ(炭火焼きグリル)を備えたレストランが軒を連ねており、名物のアサード(Asado)チョリソー(Chorizo)など、ジューシーで香ばしい肉料理を目の前で焼き上げる様子は圧巻です。

地元産のタンニン豊かなウルグアイワイン(特にタナ種)とともに味わえば、その組み合わせはまさに絶品。ランチタイムには行列ができる人気店も多いので、早めの時間帯に訪れるのがおすすめです。

📍公式サイト(スペイン語)
https://mercadodelpuerto.com.uy

治安と暮らしの質にも注目

モンテビデオは南米の中では治安が良いとされ、マーサー社の「生活の質が高い都市ランキング」でもラテンアメリカ1位に選ばれた実績があります。

とはいえ、近年は港を利用した麻薬取引の増加など一部の社会問題もあり、特に夜間や人通りの少ないエリアでは注意が必要です。基本的な防犯意識を持てば、快適で安全な滞在が可能です。

日本とのつながりも感じられるスポット

モンテビデオには、日本とウルグアイの外交関係樹立80周年を記念して整備された日本庭園「平成苑(Jardín Japonés de Montevideo)」があります。2001年に開園されたこの庭園は、首都中心部のロド公園(Parque Rodó)内に位置し、日本とウルグアイの友好の象徴として親しまれています。

庭園内には桜や藤、竹などの日本の植物が植えられ、池、橋、石灯籠など日本庭園特有の景観が再現されています。春にはウルグアイの国花であるセイボ(Ceibo)も咲き、日本とウルグアイ両国の自然や文化が美しく融合する空間となっています。

市民の憩いの場としても愛されており、訪れる人々に静けさと和の趣を提供してくれます。南米で日本文化に触れられる貴重な場所の一つとして、モンテビデオを訪れた際はぜひ立ち寄りたいスポットです。

📍公式情報(モンテビデオ市観光サイト/スペイン語)
https://www.descubrimontevideo.uy/jardin-japones

モンテビデオは「静けさを味わう旅人の港」

観光名所が密集しているわけではないけれど、そこがモンテビデオの魅力。喧騒から少し離れて、風景・人々・文化をじっくり味わいたいという旅人にはぴったりの場所です。

南米を旅するなら、ぜひこの静かな首都で「何もしない贅沢」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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