
コロンビアの宝石、カルタヘナ|カリブ海に面した歴史と色彩の街
カリブ海に面したコロンビア北部の港町、カルタヘナ。 その名を聞けば、カラフルな建物が並ぶ石畳の街並みや、青く澄んだ海、夕陽に染まる城壁を思い浮かべる人も多いでしょう。 かつてスペイン帝国の重要な植民地都市だったこの街は、海賊から財宝を守るために築かれた要塞都市としての顔も持ち、今ではユネスコ世界遺産に登録された旧市街を中心に、世界中の旅行者を惹きつけています。 カルタヘナは歴史とリゾートが絶妙に融合した、ラテンアメリカ屈指の観光地です。この記事では、その魅力を主要スポットやエリアごとに紹介していきます。
城壁都市の中心、旧市街を歩く
カルタヘナの最大の見どころは、全長約4kmにもおよぶ城壁に囲まれた旧市街(シウダー・アムラジャダ)です。
スペイン植民地時代に築かれたこの城壁は、かつて海賊の襲撃から都市を守るための防衛施設でした。
現在では、城壁の上を歩いて夕暮れを楽しんだり、海風を感じながらカフェ・デル・マルで一杯楽しんだりと、のんびりとした時間が流れています。
カラフルなコロニアル建築、石畳の小道、バルコニーに咲く花々…。
街を歩けば歩くほど、時間旅行をしているような不思議な感覚に包まれます。

サン・フェリペ要塞|難攻不落の防衛拠点
旧市街の外れ、丘の上にそびえるサン・フェリペ・デ・バラハス要塞は、南米最大級の軍事要塞です。
1536年に建設が始まり、1657年に現在の姿となったこの要塞は、複雑に入り組んだ地下通路や砲台が印象的で、イギリス艦隊の侵攻を食い止めた歴史的な場所でもあります。
要塞の上からはカルタヘナの街並みと海を一望でき、その眺めはまさに圧巻。
歴史に思いを馳せながら、風を感じる体験は忘れられない思い出になるでしょう。
ローカルの鼓動が息づく、ヘツェマニ地区
かつては観光客に敬遠されていたヘツェマニ地区ですが、現在ではストリートアートとカルチャーの中心地として注目を集めています。
カラフルな壁画が並ぶ路地、屋外で踊る人々、地元の子どもたちの笑い声…。この街には「生きたカルタヘナ」があります。
観光の中心である旧市街とはまた違った魅力があり、カジュアルなカフェやバーも多く、夜にはライブ音楽が響く賑やかなエリアへと変貌します。
サン・ペドロ・クラベール寺院|信仰と人道の象徴
旧市街にあるバロック様式のサン・ペドロ・クラベール寺院は、奴隷の保護に尽力した聖人に捧げられた神聖な場所。
彼の遺体が安置されたこの教会は、コロンビアの宗教史と人権運動を語る上で欠かせないスポットです。
内部の静寂と美しさに心を奪われる観光客も多く、厳かな雰囲気の中で心を落ち着ける時間を過ごすことができます。
ロサリオ諸島|海の楽園でリゾート気分を満喫
カルタヘナからボートで1時間。エメラルド色の海に浮かぶロサリオ諸島は、まさに隠れた楽園。
国立公園にも指定されており、サンゴ礁と透明度の高い海が魅力で、シュノーケリングやダイビング、ビーチリゾートを楽しむ人々で賑わいます。
日帰りでも訪れることができるため、都市観光の合間に自然に癒されたい人にもぴったりです。
高台からの絶景、ポパの丘
カルタヘナ市内で最も高い場所、ポパの丘は、街全体を一望できるビューポイント。
丘の上には17世紀の修道院が建っており、白と黄色の美しい外観が印象的です。
特に夕暮れ時には、赤く染まる旧市街と海が絶妙なコントラストを描き、写真スポットとしても人気を集めています。
おわりに|時間を超えて旅する街
カルタヘナは、単なるビーチリゾートでもなく、ただの歴史都市でもありません。
それらが融合し、色彩豊かに息づく「今」を感じられる街です。
石畳の旧市街を歩いた後は、要塞から風を感じ、夜はヘツェマニで音楽に身を任せる。
そんな一日が、旅の記憶に深く刻まれるはずです。
コロンビアの旅を計画するなら、カルタヘナは間違いなくその中心に置くべき場所です。