
マレーシア移住の現実|物価は本当に安い?教育・仕事・失敗例まで徹底解説
「物価が安く、英語も通じて、温暖な気候で暮らしやすい」――そんなイメージで人気を集めるマレーシア移住。確かに多くの魅力がある一方で、実際に移住した人からは「想像と違った」「思ったほどコストダウンできなかった」といった声も少なくありません。 この記事では、生活費、教育、仕事、そして見落とされがちな失敗例を含め、マレーシア移住のリアルな実情を紹介します。これから移住を検討する方にとって、「良い話だけでなく、想定すべき現実」を知る手助けになれば幸いです。
生活費は安いけれど「日本スタイル」を求めるとコスト増
マレーシア移住が人気を集める最大の理由のひとつが「物価の安さ」です。実際、クアラルンプール市内でも2LDKのコンドミニアムが月6万~11万円前後で借りられ、光熱費や通信費も日本より安価。ローカルフードなら1食200円ほどで外食できるという驚きのコスパも健在です。
しかし、ここに落とし穴があります。日本食材、輸入日用品、アルコール類などは現地でも高額で、「日本と同じ暮らし」をしようとすると一気に生活費が膨らみます。また、エアコンを常時使えば電気代も日本以上になるケースも。
✅ ポイント
日本風の暮らしを求めるとコストは逆に増える
ローカルに馴染む意識が節約には不可欠
教育の選択肢は広いが「想定外の出費」も多い
教育環境としてのマレーシアも魅力的です。多くのインターナショナルスクールがあり、英語で学ぶ環境が整っています。日本人学校も各都市にあり、月額4~5万円程度とコストは抑えめです。
しかしインターナショナルスクールの学費は年100万円~300万円以上する場合も多く、現地の人と比べても外国人には高額な学費が求められることがあります。また、制度上、高校課程までの日本人学校がないため、進路の選択が難しくなる家庭もあります。
✅ ポイント
教育コストは移住後の大きな負担になる可能性あり
高校以降は日本や他国への進学も視野に入れるべき
現地就労は難易度高め。フリーランスにもビザの壁
「マレーシアで働く」には、現地企業のスポンサーが必要な就労ビザ(Employment Pass)が必要です。年収や学歴要件が厳しく、現地採用の給与水準も日本に比べるとかなり低め。たとえば、現地採用の平均年収は160万円前後とも言われています。
一方、日本企業からの駐在員として来る場合は手当も手厚く、暮らしの質は高め。ただし、年々駐在員枠は縮小傾向にあり、狭き門となっています。
また、2022年から始まった「デジタルノマドビザ」は注目される新制度ですが、条件として月収30万円以上のオンライン収入が必要で、対象職種も限られています。
✅ ポイント
現地就労はハードルが高く、給与も安い
ノマドビザは可能性があるが、収入条件をクリアする必要あり
「移住して失敗」その原因は経済感覚と人間関係
失敗例の多くは、生活費や教育費の見込み違い、あるいは人間関係の摩擦や孤立です。特に、「物価が安いから余裕のある暮らしができる」と期待して移住したものの、日本と変わらない生活スタイルを維持しようとして出費がかさみ、結果的に「思ったほど節約できなかった」と語る人も。
また、文化や価値観の違いに適応できず、人間関係がうまくいかなかったケースもあります。「何となく移住したら、夫婦間で価値観のズレが浮き彫りになった」「友人もできず孤独だった」といったリアルな声も。
✅ ポイント
経済的なシミュレーションは日本基準ではなく現地基準で
孤独や文化ギャップへの適応力も問われる
まとめ|「合う人には天国」だが下調べは徹底を
マレーシア移住は、多くのメリットを持つ魅力的な選択肢ですが、成功のカギは「事前の調査」と「現地に溶け込む覚悟」にあります。理想だけでなく現実をきちんと見つめ、自分にとっての優先順位(コスト・教育・仕事・暮らし方)を整理することが何より大切です。
何を求めて移住するのか、その答えを明確にしておけば、マレーシアはきっと豊かで自由な暮らしを叶えてくれる場所になるはずです。