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オーストラリア移住ガイド2025|新制度とビザ改革のポイントを解説

近年、オーストラリアはビザ制度を大きく見直し、より持続可能で多様な人材受け入れを目指しています。労働力不足を補う「Skills in Demand Visa」の導入、学生ビザの要件強化など、移住希望者にとってはチャンスとハードルの両方が存在する時代です。本記事では、2025年現在の最新制度をもとに、目的別に移住の選択肢とその準備についてわかりやすく解説します。

技能労働者向け「Skills in Demand Visa」とは?

2024年末に従来のTSSビザ(482ビザ)を置き換える形で登場したのが「Skills in Demand Visa(SIDビザ)」です。このビザは職種やスキルレベルに応じて3つのストリームに分かれており、どのカテゴリでも永住権へのルートが用意されています。

  • コアスキルストリーム:看護師、建設業、教育分野など、国内で深刻な人材不足がある職種が対象。永住権取得までのプロセスが比較的早いのが特徴です。

  • スペシャリストスキルストリーム:年収がA$135,000(約1,300万円)以上の高度専門職向け。職種例にはITマネージャー、データサイエンティスト、エンジニアなどが含まれます。

  • エッセンシャルスキルストリーム:介護、清掃、ホスピタリティといったサービス業などが該当。賃金が比較的低いものの、地方定住と組み合わせることで永住への道が拓けます。

留学から永住を目指すには?学生ビザの新ルール

オーストラリア留学は移住への第一歩とされてきましたが、2025年からは学生ビザ制度が大きく変更され、より厳格な審査基準が導入されています。

  • ビザ申請時に入学許可証(CoE)が必須となり、従来の「仮合格通知」では申請ができません。

  • ビザ費用が従来のA$710からA$1,600に引き上げられ、さらに2025年7月にはA$2,000を超える予定です。

  • 貯金証明の最低額がA$29,710(約290万円)程度に引き上げられ、金銭面での準備も欠かせません。

  • 卒業後の一時就労ビザ(485ビザ)は、年齢上限が35歳までとなり、英語力もIELTS6.5以上が必須となりました。

ワーキングホリデー|30歳(国によっては35歳)までに体験を

18~30歳(英国・カナダ・フランス・アイルランド・イタリアなど一部国籍は35歳まで)が対象となるワーキングホリデービザ(Subclass 417/462)は、最大12ヶ月間、オーストラリアで働き、旅する人気のプログラムです

✅ 第一回目(12ヶ月間)

  • 滞在中に同一雇用主での勤務は6ヶ月以内に制限。

  • 最低A$5,000程度の生活費+帰国用資金の所持が必要

  • 4ヶ月までの勉強も可。

🔁 第2年目・再入国延長

  • 第2年目に延長可能(追加12ヶ月)—多くの国籍で

    • Subclass 417では初年度に3ヶ月(88日)の指定地域での労働が必要

    • 417対象の英国国民は2024年以降この条件が撤廃されました 。

  • ImmiAccountからオンライン申請、A$510前後の手数料がかかります

🔁 第3年目・さらに滞在延長

  • 第2年目滞在中に更に6ヶ月間の指定地域での労働が必要(延長条件)

  • 2国籍によっては、延長条件が緩和され、英国国籍は指定地域ワーク無条件で二度目・三度目延長が可能です

🌱 指定“Specified Work”に含まれる職種

  • 果物・野菜の収穫、園芸・農場労働

  • 林業、漁業、パール産業、建築現場など地域貢献を伴う仕事

  • 2025年4月以降、山火事や洪水といった自然災害の復興作業も指定地域労働と認定


✅ 利用を最大限に活かすには

  • 語学力向上・異文化体験の場として最適。

  • 就労経験でスキルを磨き、将来的には学生ビザ→就労ビザ→永住への足掛かりとしても活用可能

  • 申請時は指定地域労働の証明(給与明細や税関連書類等)を準備してください

家族ビザ・パートナービザの変更点

家族帯同や配偶者との合流を目的とした移住にも制度変更があります。

  • パートナービザは2025年から手続きが一段階に簡素化され、手続き期間が短縮される見込みです。

  • 一方で、スポンサーとなる側(永住者または市民)には厳格な収入証明や人物審査が求められるようになります。

  • 高齢の親を呼び寄せる場合には、一時ビザ(3年または5年)→永住申請のステップが推奨されます。

地方移住と特別ルートの拡大

オーストラリア政府は、都市部に集中する移民を地方に分散させるため、地域移住者に対して優遇措置を設けています。

  • 地方指定都市での雇用は、永住権審査の優先処理の対象に。

  • 一部地域では「招待制移住プログラム(Invitation-only)」が実施されており、特定スキル保持者にビザが付与されます。

  • 年間33,000件の地方移住枠が設定されています。

永住を目指すなら今がチャンス?

オーストラリア政府は移民政策の見直しを進める中で、今後数年間で移民総数を削減する計画を明言しています。2025年の目標は約25万人と、前年よりも約10万人の削減。これは競争が激化することを意味します。

移住を目指すなら、英語力・資金・職歴の準備を早めに整え、制度変更に迅速に対応することが鍵となります。

まとめ

オーストラリア移住は、スキル、英語力、地域戦略などを組み合わせることで実現性が高まります。目的に応じて最適なビザを選び、事前準備を怠らないことが成功の秘訣です。

もし「自分に合ったルートがわからない」「最新制度が難しい」と感じたら、認可移民エージェントに相談するのもおすすめです。情報が更新されるスピードが早いため、最新情報のキャッチアップと柔軟な対応がこれまで以上に重要な時代となっています。